同庁は資料を押収し、大学側の関与などについて慎重に調べる。
捜査関係者によると、家宅捜索したのは同大本部や、同大の岩本絹子理事長が院長を務める江戸川区内の産婦人科など関係先数カ所だという。
同大を巡っては、岩本理事長が理事会の決裁を受けずにコンサルティング会社と業務委託契約を結び、大学側に損害を与えたなどとして、一部の卒業生らが昨年3月、背任容疑で同庁に刑事告発していた。
告発状では、同大から至誠会が運営する都内の病院に出向中の職員の給与が、大学側から病院に支出された額より少なかったなどとも指摘。「大学から明らかに余剰な資金が流出している」と訴えていた。
(2024年3月29日 時事メディカル)
]]>再発または難治性の多発性骨髄腫に対するキードラッグとして、3クラスの薬剤(免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体製剤)が用いられる。しかし、これらに薬剤耐性を示す患者の多くはその後の治療に十分な効果が期待できず、治療後の再発例または難治性例に対する標準的な薬物治療がなかった。
3クラスの薬剤で少なくとも1剤が無効となった多発性骨髄腫患者を対象に実施した国際共同第Ⅱ相試験(MagnetisMM-3試験)において、エルラナタマブは臨床的に意義のある奏効率を示した。
]]>クローン病は、下部消化管を首座とする炎症性腸疾患であるが、全消化管に起こりうる。全層性炎症が持続すると狭窄や瘻孔を来し、外科治療が必要となることが少なくないため、早期からの有効な治療とモニタリングが重要とされる。
これまでに、診断当初から生物学的製剤を使用する"トップダウン療法"が、従来治療(ステロイドや免疫調節薬)から開始して、無効な場合に生物学的製剤へと徐々に移行する"ステップアップ療法"よりも有効であると報告されている(Lancet 2008; 371: 660-667)。しかし、早期治療介入の重要性を認識しつつも、高額な生物学的製剤の過度な使用への医療経済学的配慮や保険制度上の制約から、多くの国では実臨床において、非高リスク症例に対しては従来治療から開始し、モニタリングしながら迅速にステップアップする"accelerated step-up(迅速ステップアップ療法)"がより現実的な治療戦略として実施されている(Gastroenterology 2021; 160: 2512-2556.e9)。ただし、迅速ステップアップ療法について検討した過去の研究は、10年以上前の標準治療が比較対象であったり、既に罹病期間が数年経過していたりするなど(Lancet 2015; 386: 1825-1834)、現在の実臨床で初期治療を開始する際の指針とすべきエビデンスなのか疑問の余地もあった。
そこで今回、迅速ステップアップ療法とトップダウン療法の治療成績を比較した論文を紹介する(Lancet Gastroenterol Hepatol 2024年2月21日オンライン版)。本研究は、対象を特に診断初期のクローン病患者に限定し、遺伝子発現を主としたバイオマーカーを指標にリスクを層別化した場合の治療成績を検証するなど、非常に良くデザインされたランダム化比較試験である。
]]>今回の承認は、第Ⅲ相臨床試験SPOTLIGTおよびGLOWの結果に基づくもの(関連記事:「HER2陰性進行胃がんの新薬、QOLも良好」「進行胃がんへのゾルベツキシマブ、日本人でも著効」)。
]]>同プログラムについて、研究グループは「保健指導に組み込むことで血糖値などを有意に改善することが明らかになった」と結論。その上で「アプリ使用による2型糖尿病の発症予防の有効性を確認するには、より大規模かつ長期の研究が必要で、特にこのプログラムの有効性が高い条件などについても検討していかなければならない」と展望している。
]]>自己免疫性肺胞蛋白症は、抗顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)自己抗体の過剰産生により成熟肺胞マクロファージによる肺サーファクタントを含む老廃物の分解が阻害されて発症する指定難病である。
これまで、同疾患に対し有効性が確立された治療法は区域肺洗浄または全肺洗浄のみであり、侵襲性の高さなどが課題とされてきた。今回の承認により侵襲性の低い新たな治療の選択肢が広がることが期待される(関連記事:「肺の指定難病に新たなサイトカイン吸入療法」「解説:肺指定難病への新治療法の実用化が見えた」)。
]]>同薬の投与対象は、生後初のRSV感染症流行シーズンを迎える新生児および乳児、生後2 回目の RSV感染症流行シーズンを迎える重症化リスクの高い24カ月齢までの新生児および乳幼児。単回投与することにより、RSVによる下気道疾患に対して免疫系の活性化を必要とせず抗体を介した迅速な予防が可能となる。また、RSV感染流行期開始のタイミングに合わせて使用することができる。
今回の承認は、同薬の有効性および安全性が確認された日本を含むグローバル試験である第Ⅱb相試験、第Ⅲ相試験MELODY、第Ⅱ/Ⅲ相試験MEDLEYを含む複数の臨床試験の結果に基づく。
]]>研究グループは、2010年の国勢調査と10年10月~15年9月の人口動態統計を活用。約800万人分の人口データと、約33万人分の死亡票を突き合わせ、学歴と死亡率の関係を調査した。
その結果、短大・高専を含めた「大学以上卒業者」と比べ、高卒者の死亡率は約1.2倍高く、男性は約1.16倍、女性は約1.23倍となった。同様に、中卒者の死亡率は約1.4倍高く、男性1.36倍、女性1.46倍に上った。
学歴別で死亡率の差が大きい死因は、脳血管疾患、肺がん、虚血性心疾患、胃がん。一方、乳がんは大卒者などで高い傾向が見られた。妊娠・出産歴の少なさといったリスク要因が考えられ、就学期間の長い女性は死亡率が高くなる可能性が想定されるという。
(2024年3月28日 時事メディカル)
]]>ファリシマブは、アンジオポエチン(Ang)-2と血管内皮細胞増殖因子(VEGF)-Aを阻害するバイスペシフィック抗体。日本では、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)の適応で、2022年3月に承認されている。
今回の承認は、網膜静脈分枝閉塞症患者を対象とした「BALATON試験」および網膜中心静脈閉塞症患者または半側網膜静脈閉塞症患者を対象とした「COMINO試験」の結果に基づいている。両試験でファリシマブは、速やかな視力改善および網膜液の減少を達成し、既存薬アフリベルセプトに対する非劣性を示した。
]]>バリシチニブは、2020年12月に既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎に対する適応を取得した(関連記事「バリシチニブ、アトピーに適応拡大」)。今回の小児に対する適応拡大承認により、2歳以上のアトピー性皮膚炎患児への使用が可能となる。
また、7病型ある若年性特発性関節炎のうち、「全身型」を除く6病型に対して適応を取得した経口JAK阻害薬は今回のバリシチニブが初となる。
日本イーライリリー自己免疫事業本部長のロータス・モールブリス氏は、「小児のアトピー性皮膚炎、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎はいずれもアンメットニーズが高い疾患。今回の承認で治療選択肢が増えた」と述べている。
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