【泌尿器科】

急増する性器クラミジア症

放置すると不妊の原因に
−性感染症の約半数−


 性器クラミジア症がここ数年、急増している。性行為によって感染する性感染症の中で最も多く、全体の46%を占める。その背景には、この病気に対する認識不足がある。特に女性は、症状が出にくくて見逃しやすく、放置していると不妊の原因にもなるので、注意が必要だ。

●妊婦の 5 〜10%が感染

 性器クラミジア症は、目のトラコーマと同じ病原体のクラミジアトラコマティスによる性感染症だ。厚生省性感染症センチナル・サーベイランス研究班がまとめた1998年度の実態調査報告によると、年間10万人当たり153.1人が性器クラミジア症にかかっている。この頻度は、代表的な性感染症である淋病(りんびょう)の 3 倍近くにもなる。
 東京慈恵会医科大学泌尿器科の小野寺昭・助教授は「このところ、性器クラミジア症の増加は著しく、妊婦の 5 〜10%、若い男性の 5 %前後が感染しているとみられています。初期には感染に気付きにくいため、次々と感染するケースが多いのです」と話す。
 さらに、「男性の場合、感染後 1 カ月ほどたってから、尿道炎が起こりますが、さらさらとした分泌物が出て、軽いかゆみや痛みを伴う程度です。女性の場合は、感染して 1、2 週間後におりものがありますが、おりものは健康な女性でもあるので、気付かないのが実情です」と小野寺助教授。

●コンドームで予防を

 男性は、女性に比べて感染に気付きやすいが、症状が軽いからといって放置していると、精巣上体炎(精巣がはれて痛む)になり、男性不妊になる可能性も指摘されている。 一方、女性は、見逃していると、子宮や骨盤内の炎症を起こすことがあり、とりわけ卵管炎になると不妊の原因にもなる。
 「性器クラミジア症だけではありませんが、不特定多数の人と性行為を持つときには、コンドームで予防するのが第一です。咽頭(いんとう)にもクラミジアは生息するので、オーラルセックスでも、行為中は必ずコンドームを使用すべきです。予防を怠った場合は、男性は泌尿器科、女性は婦人科で検査を受けてください。それが早期発見につながります」
 性器クラミジア症の診断は、男性は尿検査、女性は子宮頸(けい)管の粘液検査などで行われる。治療は、安全で有効なマクロライド系の抗生物質が主に用いられる。通常、 2 週間の服用で治るが、 3、4 週間後に再検査を受けて、病原体の有無を確認した方がよい。