【心身症】

冬季うつ病

冬になると落ち込む
−「光療法」が効果的−


 毎年、秋から冬にかけて気分が落ち込んで何もやる気がしない−こうした経験を繰り返している人がいる。ひどい場合は日常生活にも支障を来すが、そういったケースでは冬季うつ病のことがある。治療には光療法が効果的だという。

● 春や夏は回復

 日本で冬季うつ病が注目され始めたのは十数年前から。原因はまだよく分かっていないが、毎年秋から冬にかけて気分が落ち込み、春から夏にかけては回復するのが特徴の1つだ。
 それに加え、学校や会社に行く気になれないといったような重いうつ状態を1度は経験している、ノイローゼなど他の精神疾患がない、年末の忙しさや近親者の死など社会的・心理的な原因がない−これらの条件を満たす場合が冬季うつ病の診断基準とされている。
 うつ状態そのものは比較的軽く、春になると回復するので我慢している人が多いようだが、調査では10人に1人以上が冬季に気分や体の調子が悪くなって悩んでいるという。
 うつ状態が軽いとはいえ、ひどい場合は日常生活に支障を来す。いわば冬眠状態に陥るため、本人ばかりか周りの人にも迷惑をかける。実際、10年以上も悩んでいた主婦もいる。
 悩んでいる人は、気軽に精神科もしくは心療内科を受診するといい。

● 日光浴も効果

 治療は、光療法がかなり効果的だとされている。これは蛍光灯が12本並んだ光の箱を1メートルほど離れたところから1分間に数秒の割合で見ることによって、体内時計のリズムを改善していくという治療だ。
 この装置は持ち運び可能なもの。大体1週間から10日ほど、自宅で毎朝2時間ほど行うと症状は改善してくる。これまでのところ、光療法で約70%の人に何らかの効果が認められているという。
 光療法で改善しない場合は、抗うつ薬や抗不安薬でコントロールする薬物療法となる。
 一方、日常生活では積極的に早起きして日光浴をすると、治療・予防の両面で効果を期待できる。
 地域によっては日照時間に差があるので難しい面もあるが、自然の光に当たるだけでも効果のあることが証明されている。
 症状に心当たりがある人は、ちゅうちょせずに受診することが望ましい。