【婦人】

女性に多い失声症

ある日突然、話ができない
−ストレスが原因−



 ストレス社会を反映してか、心因性の失声症に悩む人が少なくない。話したいのに話せなくなる病気で、特に女性に目立つ。それも思春期や更年期など心身両面で不安定な時期に多いので、注意が必要。

●「過換気発作」も併発

 失声症は、これまで不自由なく話していたのに急に声が出ない、話せないといった症状を呈する。よく似た症状を伴う病気に失語症があるが、こちらは脳血管障害など脳の病気によって起こる。これに対し、失声症はストレスなど心理的な原因が多い。
 中でも悩みや苦しみ、不満を身体症状に転換する転換反応による失声症が多い。失声や発声障害といった症状だけでなく、過剰に空気を吸い込んで呼吸困難に陥る過換気症候群や、不眠などを併発しやすい傾向があるという。
 女子高校生のAさん。進路に悩んで学校を休みがちになっていたところ、母親から不登校を責められて、過換気発作と失声症を併発した。
 30歳の主婦は過換気症候群で通院中、夫から多弁であることを注意されたのをきっかけに、失声症を起こした。
 この病気は、女性に多い。過去3年間に、12例の失声症を診たある病院では、そのうち11例が女性だったという。

● 心療内科受診を

 なぜ女性に多いのか。はっきりとした原因は分かっていないが、女性は男性に比べてストレスを解消する方法が少ないためではないか、と考えられている。特に思春期や更年期には、それだけでも心身両面で不安定になりがちなのに、さらに強いストレスが加わると発症しやすいようだ。
 この病気は、言葉を介さないコミュニケーションで人間関係を見直そうとしているのかもしれない。自然に治るケースが多く、受診しない人もかなりいるが、日常生活に支障を来す場合は、心療内科か精神科で診てもらうことも大切。
 素人判断で失声症だろうと思っていると、失語症を見逃す危険性もある。その意味でも、掛かり付けの医師に相談して、適切な指導を受けた方がよい。
 失声症と診断がつけば、治療はカウンセリングで心の問題を解消することが基本だが、症状によっては、精神安定剤も用いられる。日常生活では、睡眠や運動、休養を心掛け、ストレスをため込まないようにすることが大切。こうした日常のケアは、もちろん予防にもつながる。