【家庭】

もちがのどに詰まったら

頭を低くして背中をたたく
−声が出なかったら救急車を−



 もちをのどに詰まらせるお年寄りの事故は多い。処置が遅れると、窒息死につながるだけに、適切な対応が欠かせない。いざというときに慌てないために、家庭でできるもちの除去法を中心に、注意すべきことを、専門医に聞いた。

● 指でかき出す方法も

 −もちをのどに詰まらせるお年寄りが多いようですね。

 「総じてお年寄りは、食べ物を嚥下(えんげ=のみ込む)する働きが低下しています。ご飯などは普通に食べられても、もちのように一定の大きさがある上、粘着性の強い食べ物は、のどに詰まらせやすいのです。だが、嚥下機能が極端に衰えているお年寄りの場合には、家族の人が注意して食べさせるので、それほど問題はありません。むしろ、比較的元気なお年寄りほど、無理をして大きなもちを食べ、それをのどに詰まらせやすいようです」

 −詰まったときには?

 「若い人なら、たとえもちがのどに詰まっても、せきをすれば出せますが、お年寄りは生体反応が鈍くなっているので、のどの奥からもちをうまく吐き出せません。通常は、首に手をやって苦しがったり、口を大きく開けて空気を吸おうとしたりします。こうした動作は、呼吸困難のサインなので、周りの人は、即座に応急処置をすべきです」

 −どんな応急処置を?

 「まず頭を低くさせて、背中をたたく。それでももちが出てこないときは、口の中をのぞいて、指で取れるようなら、指でかき出すといいのです」

● ハイムリッヒ法習得を

 −完全に詰まっているときは?

 「声が出ません。そのときは、迷わず救急車を呼ぶべきです。そして救急車が来るまでの間に、ハイムリッヒ法といって、患者の腹部を圧迫して、気道から詰まった食べ物を除去する方法や、胸骨を圧迫する胸郭圧迫法を行ったりするといいでしょう」

 −ほかに方法はありますか?

 「家庭用の電気掃除機で吸引して命が助かったお年寄りがいます。掃除機の床用装着部を外した吸引管の先端を口の中に挿入して、詰まっているもちを吸引するのです。吸引管が口の中に挿入できないと除去できないので、最近は、掃除機の吸引管に接続可能な吸引ノズルも開発され、市販されています。これは、商品名をIMG吸引ノズルと言います」

 −日頃から心がけておきたいことは?

 「いずれの応急処置も的確に行うためには、日ごろから救命医療の講習会に参加するなどして、その手技を習得しておいてください」