● 汗の出口が詰まる
夏場に、高温が続くようになると、汗の出方にも変化が起きる。冬は手足がかさかさしている人でも、しっとりしてくるし、もともと汗をかきやすい多汗症の人は、べたつくようになる。こんな時期に、手のひらや足の裏の汗の出口を圧迫するような刺激が外から加わると、出口がふさがれて、汗がうまく外に出ていかなくなる。外に出ていけない汗は、表皮内に浸透して炎症を起こし、皮膚には透明な小さな点々や水疱ができる。これが異汗症だ。刺激になるのは、ゴルフや運転など、力を入れて握り締めるような動作。
異汗症は、多汗症の人や、自律神経の乱れで汗をかきやすくなっている人に見られる症状で、子供も大人も起きる。皮膚が乾燥する高齢者には少ない。初夏から秋にかけて発症することが多く、冬には出ない。毎年、症状が繰り返し出る人もいる。
症状がまちまちで、かゆみの有無や水疱の大きさは人によって違いがある。皮がむけるのが気になって自分でむいてしまい、皮膚が薄くなってかさつく人や、痛みを感じる人、炎症が進んで異汗症湿疹(しっしん)になる人もいる。
● 手を洗って防ぐ
周りから水虫だと勘違いされたり、薬局でも水虫と間違われたりして、市販薬で皮膚が荒れてしまうケースもあるようだ。しかし、異汗症は治療できる。症状に合わせて、炎症を抑えるためのステロイドや、かさつきを取るための尿素軟こうなどの塗り薬、かゆみを取るのみ薬などを使う。早ければ数日で症状がなくなる。
自分で予防もできる。水でよく手を洗い、乾燥させること。市販の制汗スプレーやベビーパウダーで汗を抑えるといい。
車や自転車のハンドルに綿のガーゼを巻く、ゴルフ用の手袋の下に綿の手袋をする、といったことも効果がある。
皮を無理にはいだり、かきむしって傷付けると、水虫菌に感染して、本当に水虫になることもある。異汗症かもしれない症状があって気になる人は、皮膚科で診てもらい、適切な診断と治療を受けた方がいい。