【ペット】

トキソプラズマ症

妊娠中の感染で胎児に影響も
−子猫との接触避けて−



 トキソプラズマ症は、人にも動物にも感染する「人畜共通感染症」の1つ。妊娠中に感染すると、胎児に影響し、青年期になってから視力障害が起きることがある。妊婦は感染経路となる子猫には近づかない方がいいようだ。

● 肉摂取でも感染

 トキソプラズマは、単細胞生物の一種で、200種類以上のほ乳類と鳥類に感染し、人にも感染する。日本人では、年齢が高くなるほど感染率も高い。これは、主に食事で取る肉からの感染だとみられている。トキソプラズマは、普通は感染後も筋肉の中でおとなしくしているので、体には何の症状も表れない。
 しかし、妊娠中の初感染は例外で、感染によって胎児に影響が出る。トキソプラズマの感染率は、30歳以上では20%、30歳未満では12%程度。感染していない女性は、妊娠中に初感染する可能性がある。
 トキソプラズマは、感染後、母親の血液、胎盤を通じて胎児に感染する。しかし、症状が出るのは、乳幼児期ではなく、10歳代の後半になってからだ。
 症状は目に表れる。目の網膜や脈絡膜に炎症が起きて、視力が低下したり、視野の1部が欠けたりする。早期であれば治療できるが、進行すると、治すのは困難になる。
 トキソプラズマの感染は、口からの経口感染のみ。感染経路は2つあり、1つは生肉や生に近い肉を食べることで、もう1つは子猫との接触だ。

● 触ったら手を洗う

 子猫は、トキソプラズマが便に出るので、体毛や口にトキソプラズマが付着している場合がある。このため、えさを口移しで与えたり、一緒に眠ったり、ほお擦りしたりする過剰な接触や、猫のトイレ掃除などで感染する可能性がある。
 トキソプラズマに感染しているかどうかは、血液検査で抗体の有無を調べれば分かる。妊娠中に、胎児がトキソプラズマ症にならないように、のみ薬で予防する手だてもある。しかし、大事なのは、日ごろの予防だ。
 生に近い肉やレバーの刺し身などは避けて、よく火が通った肉を食べること。それから、生後半年くらいまでの子猫には触らない方がいい。