男性の性的不能は、身体的な原因で起きるばかりでなく、ストレスや緊張、性行為忌避などの心理的な原因でも起こる。こうした心因性の性的不能は、若い人に多く、ほとんどが治すことができるにもかかわらず、心理的に圧迫されて男性不妊の原因になることもある。
● ほとんどが治る
ストレスは、他の病気でも大きくかかわっているが、男性の性的不能にも大きくかかわっている。東邦大学医学部(東京都)泌尿器科の永尾光一講師は「ストレスによって、性欲が減退し、性的不能につながる場合があります」と話す。心因性の性的不能になる原因としては、新婚の緊張状態や、過去の性交失敗などが多い。新婚旅行の際の性交失敗で、その後、失敗を恐れて、性的不能になり、性交できなくなる場合もある。
こうした場合、夫婦間で深刻な事態を招くこともある。しかし、永尾講師は「このような性的不能は、ほとんどが一時的なもので、治療によって治るものであり、かなり誤解されているようだ」と言う。
● 治療で妊娠例も
中年以降の心因性性的不能は、仕事上の対人関係、子供の問題、妻との不仲、転勤、転職、定年、さらに、最近ではリストラなどが原因となっている。「このような性的不能の治療は、患者の心理的な問題点を明らかにして、患者それぞれに適した治療法を選択し、自信を回復させることがポイントです。そして性行為に成功すれば、自然な状態に戻っていきます」
しかし、心因性の性的不能は、男性不妊にもつながっている。同大学付属病院泌尿器科では、男性不妊のうち、治療可能なものとしては、2番目に多いのが性的不能だという。
このような性的不能は、適切な治療をすれば、性交渉が可能となる。実際に、治療に成功して、短期間に妊娠した例もある。
永尾講師は「男性の性的不能は、本人だけでなく、パートナーにも重大な影響を与える。放置しないで、受診してほしい」と呼び掛けている。