【ご存じですか】

金属のアレルギー性接触皮膚炎

ピアスやベルトのバックルで
−赤み、はれ、水疱−


 金属によるアレルギー性接触皮膚炎が増えている。原因となる金属の代表例はニッケルだが、クロムやコバルト、金などでも起こる。金属に触れている皮膚が赤くなるような場合は、皮膚科の専門医に診てもらった方がよい。

● 原因に気付きにくい

 金属によるアレルギー性接触皮膚炎は、金属に長く接触している部分に、アレルギー反応が生じ、紅斑(こうはん=赤み)や、はれ、小さな水疱(すいほう=水膨れ)といった症状が表れて、かゆみを伴う。
 駿河台小林診療所(東京都)皮膚科の矢島純医長は、こうした症状が出るのは、ニッケル製品を使った場合、最短で7日、長い場合は数十年後とさまざまだという。
 「この皮膚炎の特徴は、症状が出ても、これまで使っていて異常がなかった金属製品が原因だとは気付きにくい点です。そのため、単なる湿疹(しっしん)だろうと市販の薬などに頼ることが多いのです。しかし、原因となる金属製品を取り除かない限り、症状は悪化する一方です」と矢島医長。
 この皮膚炎の原因の中で、最も多いのがニッケルで、ピアスをはじめとするアクセサリーや、眼鏡のフレーム、ベルトのバックル、さらに100円硬貨などで使われている。
 「ピアスをしている人は、5人に1人はこの皮膚炎を起こすという報告があります。ピアスは、耳の穴の部分で、皮膚の組織液に触れた金属が溶けやすくなり、かぶれが生じるのです」

● 暑い季節に多い

 この皮膚炎は、季節を問わず見られるが、特に汗をかきやすい季節に多い。中には、ズボンのポケットに入れていた硬貨が原因になった人もいる。
 診断は、皮膚に原因と疑われる金属あるいは金属イオンを付けた1センチ四方ぐらいの布を、24−48時間皮膚に張り付けて、反応を調べるパッチテストを行う。
 「パッチテストの結果、原因となっている金属が分かれば、その金属との接触を避けることが治療の基本になります」
 ニッケルが原因と分かれば、すべてのニッケル製品に触れないようにする必要がある。ニッケル製の眼鏡フレームを用いている場合は、フレームをビニールでコーティングするか、チタンなど他の素材に変えなければならない。こうした対応が、再発予防にもつながる。