【子供】

幼児の虫歯予防

まず、母親の虫歯を治そう
−だ液から菌が感染−



 特に虫歯になりやすいのは、歯が生えたてで軟らかい2、3歳の幼児で、母親からの細菌感染が大きな原因となっている。虫歯は、ミュータンス連鎖球菌が主な原因だが、母親のだ液中にこの菌が多いと子供にうつりやすい。

● 赤ちゃんに菌はいない

 虫歯は、口の中の細菌によって歯が溶かされる病気。その主な原因がミュータンス連鎖球菌だが、この菌は、生まれたての赤ちゃんの口の中にはいない。
 国立感染症研究所(東京都)口腔(こうくう)科学部の花田信弘部長は「お母さんの口の中にミュータンス連鎖球菌が多いと、口うつしの食事や同じスプーンを使ったときなどに、だ液を介して菌が子供に感染するのです。こうした行為は、ほかの“善玉菌”も子供にうつすので、悪いわけではありませんが、お母さんの口の中の衛生状態が問題です」と言う。
 ミュータンス連鎖球菌が、母親のだ液1ミリリットル当たり1万個以下だと、幼児は虫歯になりにくい。スウェーデンでは、妊娠中から定期的に母親の口腔ケアをしたことによって、3歳児の虫歯が半減したという報告もある。

● 染め出し剤で確認を

 「虫歯のあるお母さんは、きっちりと治療すべきです。また、ミュータンス連鎖球菌は歯と歯の間に多いので、通常の歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを用いて、しっかりブラッシングしてください。その後、歯の染め出し剤を使ってブラッシングの成果を確認し、それでも歯が赤く染まる人は、最寄りの歯科医を受診し、歯科衛生士の“プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング”を受けるといいのです」
 最近は、だ液中のミュータンス連鎖球菌を測定できるようになっている。この検査でミュータンス連鎖球菌が多い人は、外用の抗菌剤で減らす治療法も普及しつつある。いずれも健康保険は適用されていないが、ミュータンス連鎖球菌が減ると、口腔内の“善玉菌”が増える。希望者は歯科医に相談してみるとよい。