【ご存じですか】

しゃっくりの止め方

舌を30秒ほど引っ張ってもらう
−内臓疾患が原因のことも−



 しゃっくりは、突然起こる。「しゃっくりが長く続いてつらかったら、舌を少しの間引っ張ってもらうと、大抵は止まる」と、土浦協同病院(茨城県)麻酔科の近藤司医師はアドバイスする。しゃっくりの原因は、次第に解明されつつある。

● 胎児期の名残

 しゃっくりは、横隔膜(胸の内部とおなかの内部を隔てる壁で、筋肉でできている)のけいれん性の運動だが、なぜ起こるのかは完全には分かっていない。
 しゃっくりを研究している近藤医師は、その原因について、次のように説明する。
 「胎児は、母親の体内にいる時、羊水の中を漂っていますが、羊水中にある“ごみ”が鼻やのどの奥に詰まると、除去する必要があります。この場合に、横隔膜がけいれんを起こし、ごみを吸い込み、同時にごみが肺に行かないように声帯が閉じるのです。この一連の反射運動が、しゃっくりに相当すると考えられます」
 しゃっくりをすると、「ヒック」という音が出るのは、声帯が閉じるときのものだ。
 妊婦が、胎児がしゃっくりをしているのに気付くことはよくある。また、赤ちゃんがよくしゃっくりをするのは、胎児の時の反射経験がまだ残っているからだと考えられている。
 成人でも、しゃっくりは出るが、これは、普段はしゃっくりを抑えている中枢の働きが、飲酒など何らかのきっかけによって緩むか、何らかの反射刺激が加わったために出るようだ。

● 全身衰弱のもとにも

 近藤医師は、しゃっくりをうまく止めるには、舌を引っ張ってもらう方法がお勧めだと言う。
 「乾いたガーゼのようなもので舌をつかみ、30秒ほど強く引っ張ると、のどの奥への刺激によって、しゃっくりを止める効果があります。私の経験では成功率は約75%です」
 しゃっくりは、ほとんどの場合心配はないが、時として、胃や食道などの消化器疾患、肺や心臓などの胸部疾患、腎臓病や肝臓病、脳神経系の病気などで起こることもある。また、睡眠薬の服用が原因になることもある。
 近藤医師は「しゃっくりが48時間以上続くものを、難治性しゃっくりと言います。この場合は、つらくて食事ができない、眠れない、水も飲めないといった状態になり、高齢者などでは全身の衰弱につながることもあります。難治性しゃっくりのほぼ9割に有効な薬もあります。しゃっくりが頑固に続いたときは、まず『総合診療科』を受診して、基礎疾患があるかどうか調べてもらってください」と話している。