鼻腔(びくう)の中央にある鼻中隔は、大人ではだれでも少しは曲がっているが、多くの人には何も症状がない。しかし、中には強い鼻詰まりや副鼻腔炎に悩まされる鼻中隔弯曲(わんきょく)症の人もおり、花粉症があると鼻詰まりが特にひどくなる。
● 副鼻腔炎を併発も
鼻中隔とは、鼻の穴を真ん中で隔てている仕切りで、骨と軟骨で構成されている。東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉(いんこう)科の春名眞一講師は「鼻は15歳くらいまで発育し、鼻中隔はその発育とともに弯曲します。曲がっていない人の方が珍しく、鼻詰まりなど、何らかの症状がある場合に弯曲症と言います」と言う。鼻中隔が右に曲がっていると、鼻の中は右が狭く、左は広くなる。狭い方は鼻の通りが悪くなり、詰まりやすくなる。
鼻の入り口付近の粘膜は、ウイルスの侵入を防いだり、体に入る外気を適温にしたりするなど、いろいろな働きをしている。広い方も、通りが良いので外気の影響を受けやすく、粘膜がはれて詰まってしまう場合がある。
こうした鼻の状態は、ウイルスや細菌の感染に抵抗する力を衰えさせるため、鼻の中だけではなく、その周りの副鼻腔にも影響を与え、蓄膿(ちくのう)症(副鼻腔炎)を併発しやすい。
● 手術は20歳以上に
鼻中隔弯曲症の症状は、何年も続く強い鼻詰まり、重いとかぼんやりするなどの頭の症状、慢性化して治らない副鼻腔炎、きゅう覚や味覚の障害、鼻からの出血などが代表的。花粉症もあると、その時期は鼻詰まりが特にひどくなる。弯曲症は、内視鏡とコンピューター断層撮影法(CT)で診断し、手術で治す。「手術では、弯曲した部分の軟骨か骨を削ります。手術の日から食事ができ、入院は1週間ほどです」と春名講師。
手術は、鼻の発育を考えて、受けられるのはだいたい20歳以上とされている。