稽留(けいりゅう)流産は、良好な胎盤ができないために起きるもので、最近増えている。「大きな原因は運動不足」と、不妊外来を設けている沢田クリニック(東京都)の沢田喜彰院長は注意を促している。
● 6、7週に多い
出産までには、受精、子宮内への着床(妊娠)、そして母と子の血液的なつながり(胎盤形成)という過程があるが、稽留流産は、子宮組織の代謝が悪くて良い胎盤ができないために、胎児への血液供給がうまくいかず、胎児が“枯れ死に”してしまう流産のこと。「この流産は、妊娠6、7週に起こりやすいのです。超音波検査で1度は胎児の心臓の動きが確認されたのに、次回の診察時には心拍が消えていたり、胎児が母親の体内に吸収されていたりします。予定の月経が少し遅れた後、黒褐色のわずかな出血がある程度で、流産と気付かないことも多いのですが、女性の不妊の原因として増えています」と沢田院長。
昨年、同クリニックでは不妊を訴える女性625人を診察しているが、そのうち139人(22.2%)が、受診前に稽留流産していた。
「稽留流産は悪い母胎環境によることが多く、特に最近の女性では、運動不足が原因になっているケースが目立っています」
● 30−40分歩こう
かつて女性は、妊娠しても働き続けた。それでも流産が少なかったのは、体を動かすことによって下半身の血流が良くなり、母胎環境が良好に維持されたからだ。「最も妊婦に良くないのは、テレビにべったりといった生活です。少子化の進む現在、妊娠すると必要以上に安静にしがちですが、妊娠中もウオーキングなど適度な運動をして、血流を良くすることが稽留流産の予防につながります」
具体的には、毎日30−40分は歩くこと。勤めていて時間が取れない場合は、通勤時に一駅手前で電車を降りて歩くなど、工夫して日常化するとよい。
「適度の運動なら、出産の2、3週間前まで行っても支障はありません。それとともに、食事は栄養をバランスよく取り、生活習慣病につながる動物性脂肪や塩分は控えるべきです」
こうしたケアを妊娠前から実践していると、より効果的だ。
沢田院長は、不妊治療を成功させるためのテキストとして「あなたにも赤ちゃんができる」(PHP研究所、1350円)を出版している。