【婦人】

若い女性の鉄欠乏性貧血

体がだるく、疲れやすい
−鉄分をよく取ろう−



 体がだるく、疲れやすくなる夏を迎えたが、若い女性に多い鉄欠乏性貧血にも、同様の症状が見られる。暑さのせいにして放置していると、日常生活に支障を来しかねない。

● ヘモグロビンが減少

 貧血は、血液中で酸素を運ぶ働きをしているヘモグロビンの量が基準値よりも少ない状態。基準値は男女や年齢などによって異なるが、若い女性の場合は血液100cc中、ヘモグロビンが12グラム未満が貧血と判定される。
 「若い女性の約10%は貧血と推定されていますが、そのほとんどが鉄欠乏性貧血です。ダイエットブームやファストフードの普及など、食生活の変化を背景に増えており、全国で250万人前後の女性が貧血と考えられています」と、東京女子医科大学の溝口秀昭医学部長(血液内科)は指摘するともに、問題点を次のように話す。
 「ヘモグロビンが減少すると、体内への酸素の供給量が不足し、いろいろな症状が出てきますが、徐々に進行するため気付きにくいのです。例えば夏、体がだるく疲れやすいと、季節のせいにして見逃したりします」

● 筋腫などが原因にも

 その結果、貧血が進行して慢性化すると、つめがスプーン状に反って折れやすくなったり、口角炎ができたり、舌がつるつるになったりする。
 「女性は、生理があるだけでも貧血になりやすいことを念頭に置き、栄養バランスの良い食事を取るのはもちろん、特に予防、治療の両面で、ヘモグロビンのもとになる鉄分を十分に摂取すべきです」
 鉄分のうち、肉や魚に含まれるヘム鉄は、体に効率よく吸収される。ホウレンソウなど植物に含まれる非ヘム鉄は、ヘム鉄に比べ吸収が悪いが、ビタミンCやたんぱく質と一緒に取ると吸収されやすくなる。
 「それでも、階段を上るとだるい、肩が凝るなど貧血症状が改善されない場合は、内科を受診してください」
 貧血には、消化器のがんや子宮筋腫や子宮内膜症など、他の病気が原因のケースもある。こうした病気を見逃さないためにも、年1回は定期的に検診を受けるよう、溝口学部長は勧めている。