【ご存じですか】

入れ墨を消したい

レーザーによる消去が有効
−皮膚に近い色は難しいことも−



 アートメークと称して中高年の女性がまゆやアイラインに、若い世代では腕や脚などに入れ墨をする人が増えている。いずれ消えると言われ、軽い気持ちで入れる人もいるが、薄くなっても自然に消えることはなく、悩む人が絶えない。

● 時間と経費がかかる

 東京警察病院形成外科の大森喜太郎部長は、年間200−300人もの入れ墨を消しているが、最近増えているのがアートメークと称するケースだという。
 「アートメークというとファッションのようにとらえてしまい、入れ墨と思っていない人が多いようですが、これは従来からある古典的な入れ墨と同じです」
 皮膚は表皮と真皮から成っているが、入れ墨は針で表皮を通して真皮に色素を入れる。このため、時間がたっても消えない。
 「加齢とともに変化したり、流行が変わったりして、消したいと思うようですが、入れ墨はしないに越したことはありません。入れ墨の針を使い回すなどしていると、エイズや肝炎のウイルスに感染する危険性があります。また、消去するには時間と経費がかかり、負担が大きいのです」

● 安易に入れないで

 入れ墨を消す方法は進歩し、現在はレーザー治療が一般化しているが、それでも難しいケースもある。
 「レーザー治療はまず、エルビュームレーザーで表皮を削り、次いで、色反応型レーザーで沈着した色素だけを壊すのが基本です。これらを組み合わせて総合的に行いますが、黄色のように皮膚に近い色では消えにくいこともあります」
 通常、レーザー治療は皮膚を守りながら、1、2カ月に1回の割合で行われる。小さな入れ墨では、1回に5−10分のレーザー照射で済むが、背中一面にあるようなケースでは、1回に4、5時間もかかる。加えて、健康保険が適用されないので、費用も掛かる。
 「小さくて、色が黒や茶などの単色の場合は、3、4回のレーザー治療で改善されますが、それでも1回3−5万円が必要です」
 背中一面にあるような場合は、数百万円にも上る。流行や甘い言葉に誘われて、安易に入れ墨はしない方がよい。