子供の歯並びが悪いと、虫歯や歯周病などの原因になる。日本小児歯科研究所(千葉県)の町田幸雄所長(東京歯科大学名誉教授)は「子供の歯並びの矯正は、歯やあご、あごの筋肉の成長発育期を利用して、早めに受けて」と呼び掛けている。
● 3−5歳がよい
子供の悪い歯並びには、乱ぐい歯(叢生=そうせい=)のほかに、受け口(反対咬合=こうごう=)、出っ歯(上顎=じょうがく=前突)、上下の歯並びが左右にずれる交叉(こうさ)咬合、上下の歯が前方で閉じない開口−などがある。いずれも放っておくと、虫歯や歯周病の原因になったり、物をうまくかめなかったりする。見た目を気にする人も多い。
町田所長は「前歯の乱ぐい歯の治療は、7、8歳でも遅くはないのですが、交叉咬合、反対咬合、上顎前突などのように、上下顎のかみ合わせが悪いケースでは、歯やあごの成長発育期である3−5歳で受けた方がいいのです」と言う。
● 痛みも少なくて済む
歯やあごを動かす筋肉など、口腔(こうくう)周囲の成長発育は、場所によっては10歳前後に止まってしまう。口腔周囲の成長発育が止まってしまうと、悪い歯並びやかみ合わせを装置によって矯正しても、あごを動かす筋肉も正常でないまま成長しているので、歯の移動は終わっても、いずれ後戻りしてしまうことがある。
成長発育の途上なら、あごの筋肉の働きも適応性があり、正常に戻しやすく、簡単な処置で正常なかみ合わせに持っていける可能性がより高い。
乱ぐい歯なら、隣同士で重なっている乳歯を少し削るだけで治ることがある。反対咬合、上顎前突、交叉咬合も、その多くは矯正のための装置を使うが、成長発育期なら治しやすい。このうち反対咬合と交叉咬合は、乱ぐい歯同様、装置を使わずに、近隣の乳歯を少し削るだけで治ることもある。
町田所長は「成長発育期の矯正なら、痛みも少ないので、小さい子供さんの歯並びがおかしいと感じたら、早い時期に小児歯科に相談してください」と話している。