【ご存じですか】

リウマチ患者の約10%に肺の合併症

間質性肺炎から肺線維症に
−急速に進行するケースも−


  慢性関節リウマチの患者は、全国に現在約70万人いるとみられるが、肺の合併症に気を付ける必要がある。この合併症は、患者の約10%に見られるもので、リウマチ肺ともいわれている。

●ほとんどが肺線維症

 慢性関節リウマチは、全身性の自己免疫疾患で、慢性的に複数の関節に炎症が生じ、痛みや変形を伴う。このため、整形外科領域の症状がもっぱら注目されるが、内臓の病気を合併する場合もある。
 「中でも多いのが、肺の合併症で、患者の約10%に見られます」と、東京医科歯科大学第1内科の宮坂信之教授は次のように話す。
 「この合併症は、ほとんどが肺線維症です。ガス交換をしている肺胞と間質に炎症が起こる間質性肺炎が、次第に進行して、線維化した状態で発見されます」
 肺線維症は通常、ゆっくり進行するが、中には急速に進行するケースもある。また、抗リウマチ薬が原因のこともあるので、医師との連絡を密にした方がよい。その1例が、抗リウマチ薬のメトトレキサートが原因の間質性肺炎だ。
 「メトトレキサートは、免疫の異常を是正する薬で、治療効果は高いのですが、1000人に1人ぐらいの割合で間質性肺炎を起こすことがあります」

●リウマチの早期発見を

 メトトレキサートが原因の間質性肺炎は、発見が1、2日遅れると、命にかかわる。
 「この薬を服用していて、息切れやからぜきがあって、微熱が出た場合は、即座に掛かり付けの医師に伝えるべきです」
 このほか、同じ抗リウマチ薬の金製剤も肺の合併症を起こすことがある。抗リウマチ薬が原因の合併症は、原因となっている薬をやめ、ステロイド剤を用いるのが治療の基本だ。
 一方、肺の合併症が抗リウマチ薬が原因でない場合は、進行性か否かで治療が異なる。
 「進行性の場合はステロイド剤を用いますが、そうでない場合は、経過を観察します」
 慢性関節リウマチの患者がなぜ肺の合併症を起こしやすいのかは、現段階ではよく分かっていないため、適切な予防法はない。
 宮坂教授は「リウマチの患者は、こうした合併症があることを頭に入れておくといいでしょう。慢性関節リウマチを早期に治療すれば、この合併症は起こりにくいので、リウマチそのものを早期に発見することが大事です」と、アドバイスしている。