ふだん家にいて熱が出たり、おなかが痛くなった、変なものをのみ込んでしまったなど、突然の出来事があると、どうしていいか分からなくなる。ここではこうした急な症状のうち危険なのはどんなケースか、手当てはどうすればいいのかなどについて解説していく。1回目はやけど。子供やお年よりのいる家庭ではとくに注意が必要だ。

●深さと広さで重症度

 調理中のてんぷら油や熱湯の入ったポット、熱いスープやみそ汁、アイロン、ストーブなど家庭にはやけどのもとがあちこちにある。煮えたぎった浴槽に子供が落ちたり、お年寄りがろうそくの火を着衣に燃え移らせたりして大やけどをするケースや、電気カーペットや懐炉でやけどを起こすこともある。
 やけどはその深さと広さで重症か軽傷かが決まる。
 深さは3つに分けられる。I 度は皮膚の表面の表皮だけが破壊されたもので、赤くなってヒリヒリと痛む。
 II 度は表皮の下の真皮が一部破壊された状態で、水膨れができる。そのうち浅い II 度は痛みがあって、水膨れの下がややピンク色の状態。深い II 度は痛みは鈍く、水膨れの下が白っぽくみえる。
 III 度は皮膚の全部が死滅した状態で、痛みなどの知覚がなく水膨れもできない。
 また、広さは体表面積の割合で表すが、手のひらの大きさをほぼ1%として算出できる。

●家庭薬で逆効果も

 家庭でできる手当ては次のようなものだ。
(1)
やけどをした個所を水に浸したタオルで20分ぐらい冷やす。冷やせば痛みを和らげる効果がある。乳幼児は冷やし過ぎるとショックを起こすことがあるから、II 度のやけどが体表面積の10%以上に及ぶような場合、むしろ冷湿布は避けタオルケットなどで保温し医師に診てもらうといい。
(2)
熱湯などを浴びた着衣は手早く丁寧に脱がせる。水膨れは傷を受けた面を保護し痛みを軽くするから、できるだけ破らない方がいい。
(3)
家庭薬の軟こうや薬草、みそなどを患部に塗らない。かえって感染の危険が増すからだ。

 I 度か浅い II 度のやけどが体表面積の数%以内なら、初期手当てをしたあと、ガーゼを当て包帯を巻くだけでよく、医師に診せるのは翌日でもかまわない。それ以上ひどければ初期手当てのあと、患部を清潔なタオルでくるみ、救急外来を訪れるか救急車を呼ぶこと。
 II 度でも体表面積の20%以上、III 度なら10%以上のやけどは、ショックを起こして死亡する危険もある重症なもの。一刻も早く救急車を呼び、やけど専門医のいる病院に運びたい。
 特に子供のやけどは、重くなりやすいので、より適切な手当てが必要だ。