風邪を引いたときに、発熱と頭痛が一緒に起こることがある。熱に激しい頭痛を伴うときは、髄膜炎の可能性もある。放っておくと重くなることもあるので、すぐに専門医に診てもらうようにしたい。

●ウイルス、細菌が髄膜に

 脳は、内側から軟膜、くも膜、硬膜の三層の髄膜で覆われている。髄膜炎とは、ウイルスや細菌などが髄膜に入り込んで炎症を起こす病気だ。
 髄膜炎による頭痛は、のどの痛み、せき、ぜん鳴(ゼーゼーいう呼吸)、下痢、腹痛、リンパ節のはれ、関節の痛み、発熱など、風邪のような症状に引き続いて起こる。必ず発熱があるので、けん怠感を訴える人が多い。
 この頭痛は、「頭の中から痛む」と表現されるように、頭全体が激しく痛み、一日中途切れることなく続く。
 首の後ろ(うなじ)が緊張して硬くなる「項部硬直」があるのが特徴だが、本人がこれに気付くことは少ない。
 治療は、髄膜炎の原因がウイルスか細菌かで異なる。ウイルスの場合、はしかや風しんなど発しんを起こす病気に伴って起こることが多い。原因がヘルペスウイルスの場合は、命にもかかわることがあるので注意が必要だ。
 細菌による髄膜炎は、乳幼児では、風邪のような症状から進むことが多いが、大人では、歯や鼻、心臓に病気を抱えていて、そこに巣食っている細菌が髄膜に入り込んで起こることが多い。

●脳炎を合併する場合も

 髄膜炎になると、炎症が脳そのものまで広がる「脳炎」を合併する場合もある。
 髄膜炎が疑われたときは入院して脊髄(せきずい)液の検査を行う。脊髄液を腰椎(ようつい)から採取して、白血球や糖を調べて、髄膜炎ならば、その病原は何かの判断をした上で、細菌やウイルスを見つける。髄膜炎や脳炎の程度を見るために、CT(コンピューター断層撮影法)やMRI(核磁気共鳴画像法)の検査も行う。
 原因が細菌の場合は抗生物質を用い、ウイルスの場合は抗ウイルス薬を使うことが多い。髄膜炎を引き起こしたもとになる病気があれば、その治療も並行して行う。
 髄膜炎は、早期に発見して早期に治療すれば治るが、時期を失したり、脳炎を合併したりすると、治ったとしても記憶障害などが残ってしまう。激しい頭痛が続き、熱がなかなか下がらない場合は、すぐに神経内科あるいは内科の専門医を受診するように。