頭痛の中には、病院に急行しなくては命にかかわるものがある。その代表が、くも膜下出血による頭痛だ。これまでに経験したことのないようなひどい頭痛には注意が必要だ。

●動脈瘤が破裂

 これまで味わったことのないような突然の激しい頭痛─。これが、くも膜下出血の頭痛の特徴だ。「金づちで殴られたような」激しい痛みが起こり、何時何分に起きたと言えるほど、突然起こる。痛みは頭全体に感じる。
 くも膜下出血の原因のほとんどは、脳の表面の動脈にできた動脈瘤(りゅう=血管のこぶ)の破裂だ。脳は、外側から硬膜、くも膜、軟膜という三つの膜によって覆われているが、くも膜と軟膜の間をくも膜下腔(くう)と言い、ここは髄(ずい)液が満たされている。
 動脈瘤が破裂すると、血液がくも膜下腔に一気に流出するため、頭がい内圧(頭がい骨の内部の圧力)が急激に上がって、激しい頭痛が起こる。
 頭がい内圧が上がって脳全体が圧迫されると、意識障害が起こったり、吐いたりする。重症の場合、意識障害からこん睡状態に進んだまま死亡することもある。

●再発予防がカギ

 くも膜下出血の状況は、CT(コンピューター断層撮影法)検査によって分かる。出血量が少ないときは、CTでははっきりしないこともあり、症状からみて、くも膜下出血が疑われる場合は、髄液を採取して検査する。
 出血は、いったん止まるが、再び破裂することが多い。再出血を起こすと、死亡率が非常に高くなる。そのため、くも膜下出血では、再出血の予防が重要だ。
 出血が確認されたときは、破裂した動脈瘤を血管撮影によって探し出し、頭がい骨を切開し、こぶの根元をクリップで挟むクリッピング法という手術が行われる。
 出血によって髄液の流れが妨げられた急性水頭症の場合は、髄液を外に排出する手術を行うこともある。また、発作後4日ほどたつと、脳の血管が細くなり、脳梗塞(こうそく)を起こすこともあるので、それを予防する薬が用いられる。
 今まで経験したことのない突然の頭痛が起きたら、すぐにCT設備のある病院で受診すること。40〜50代で、家族や親せきにくも膜下出血を起こした人がいる人は、特に注意してほしい。