頭痛がなかなか治らないと、脳腫瘍(しゅよう)ではないかと心配する人が案外多い。脳腫瘍による頭痛は、何となく痛いという感じ。ただ、脳腫瘍はまれな病気なのであまり心配しないように。

●早朝に起きやすい

 脳腫瘍の場合、「頭が重苦しい」「何となく痛い」といった鈍い頭痛が起きる。最も“あいまいな”頭痛の1つと言われるが、それは、腫瘍の場所と痛みの場所が一致しないことが多いためでもある。
 脳腫瘍による頭痛は、頭がい骨内に血腫(けっしゅ)やうみが生じた場合と同様に、頭がい骨内で痛みを感じる組織が圧迫されることによって起こる。頭がい骨内では、圧力が広範囲に伝わるため、病巣と痛みの場所とは異なることが多い。また、神経の走る場所の関係から、大脳にできた腫瘍は、前頭部や額の痛みとして感じることもある。
 頭痛は、早朝起こりやすく、腫瘍が大きくなるのに伴って、次第に強くなる。せきやくしゃみをしたときに起こりやすいという特徴もある。
 脳腫瘍の症状は、頭痛だけではない。吐き気や、吐くこともある。頭痛が一番はじめの症状なのは、全体の3分の1で、残りの3分の2は、頭痛より先に、手足のまひや、物が二重に見えたり、しゃべりにくくなったりする神経症状が表れる。

●良性でも取り除く

 脳腫瘍の診断は基本的に、CT(コンピューター断層撮影法)またはMRI(核磁気共鳴映像法)で行われる。
 脳腫瘍には、さまざまな種類があり、神経膠腫(こうしゅ=グリオーマ)が3分の1、下垂体腺腫(せんしゅ)、聴神経腫瘍、髄膜腫がそれぞれ1割程度の合わせて3分の1。その他の3分の1の中で最も多いのは、ほかの臓器から転移した腫瘍だ。
 脳腫瘍のほとんどは良性だが、神経膠腫の一部と転移性腫瘍は悪性で、増殖が速い。
 治療は、良性でも悪性でも普通、腫瘍を取り除く手術を行う。ガンマナイフという特殊な放射線治療を行う場合もある。悪性腫瘍で除去できないものは、放射線治療や化学療法を行う。
 重苦しく、鈍い頭痛が続くようなら脳腫瘍も考えられる。脳神経外科で診断を受けてほしい。