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乳がん既往女性の適度な大豆食品摂取/死亡・再発リスク減少と相関
[ 2010年2月11日号]

〔シカゴ〕乳がん生存者の大豆食品摂取に関しては,安全でないと懸念する声もあるが,バンダービルト大学医療センター(テネシー州ナッシュビル)のXiao Ou Shu博士らは「中国の乳がん既往のある女性では,大豆食品の摂取量と死亡および乳がん再発リスクとの間に逆相関が認められた」との研究結果をJAMA(2009; 302: 2437-2443)に発表した。

1日11g以上の摂取では便益増加せず

 大豆食品には,乳がんリスクを減少させると考えられているフィトエストロゲンの一種であるイソフラボン類が豊富に含まれる。しかし,イソフラボン類のエストロゲン様作用と,イソフラボン類とタモキシフェンとの相互作用のため,これまで乳がん患者が大豆食品を摂取することを懸念する傾向があった。
 Shu博士らは,大豆イソフラボン摂取と乳がん再発や生存との関連性を調べた。中国の乳がん生存女性5,042例を対象とした大規模住民対象調査“上海乳がん生存調査”のデータを解析し,2002年3月~06年4月に乳がんと診断された女性(20~75歳)を対象に2009年6月まで追跡調査を行った。がんの診断・治療,診断後のライフスタイル,病状の進行についての情報を診断から約6か月後に収集。さらに,聞き取り調査を18,36,60か月後に行い,それらの情報を再評価した。追跡不能だった対象者の生存情報については,上海人口動態統計のデータベースから入手した。
 外科的治療を受けた乳がん患者5,033例のうち,3.9年(中央値)の追跡では,総死亡444例と再発または乳がん関連の死亡534例が記録された。大豆蛋白質または大豆イソフラボンの摂取量から推定した大豆食品摂取量は,死亡および再発リスクと逆相関の関係にあった。大豆蛋白質摂取量が最も多かった群では,最も少なかった群と比べ,調査期間中の死亡リスクが29%,乳がん再発リスクが32%,それぞれ低かった。多変量調整後の4年死亡率は,大豆蛋白質の摂取が最少と最大の女性ではそれぞれ10.3%,7.4%で,4年再発率は11.2%,8.0%であった。

 同博士らは「この逆相関は,エストロゲン受容体が陽性・陰性いずれの女性の場合にも見られた。また,タモキシフェン使用者と非使用者のいずれにも認められた。今回の研究では,大豆食品摂取は安全で,乳がん患者の死亡率および再発率の低下と相関が認められた。大豆食品摂取と死亡・再発の相関は,大豆蛋白質が1日11gに達するまでは直線的な用量反応パターンを示し,それ以上の摂取では死亡・再発への便益は増加しなかった。適度な大豆食品の摂取は安全で,乳がん患者に有益であることが示唆された」と述べている。

大規模なコホート研究が必要

 米国立がん研究所(NCI)のRachel Ballard-Barbash博士らは,同誌の付随論評(2009; 302: 2483-2484)で「今回の研究は重要な情報を含むものの,摂取した大豆食品の品質,種類,量が中国と米国で異なること(イソフラボン摂取は平均でそれぞれ47mg/日,1~6mg/日)など,いくつか留意しなければならない相違点がある」と述べている。
 同博士らは「Shu博士らの研究結果は,乳がん患者の大豆食品の摂取が安全であることを示しているが,乳がん患者と生存者のさまざまな臨床サブグループに対する大豆食品の影響を理解するには,より大規模なコホート研究が必要だ。医療従事者は当面,乳がん患者に対し,大豆食品を取っても安全で,長い目で見れば健康を促進すると助言してもよい。しかし,便益があるのは大豆食品に限られており,大豆を含む健康食品のリスクや便益についてまで推定すべきではない」と説明している。

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