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長時間のTV視聴が心血管疾患関連死リスクに
[ 2010年2月18日号]

〔米テキサス州ダラス〕ベーカーIDI心臓・糖尿病研究所(オーストラリア・メルボルン)代謝・肥満部門身体活動研究室のDavid W. Dunstan室長らは,1日のTV視聴時間が1時間増加するごとに心血管疾患(CVD)関連死リスクが増大するという研究結果をCirculation(2010; 121: 384-391)に発表した。

1時間ごとにCVD関連死リスクは18%増大

 今回の研究では,1999~2000年に25歳以上の男性3,846例と女性4,954例を登録し,面接と経口糖負荷試験,血中コレステロール値や血糖値などの生物マーカーの評価を行い,2006年まで追跡した。面接では,過去7日間のTV視聴状況を聞き,1日2時間未満,2~4時間,4時間を超える群に分類した。CVD既往者は解析から除外した。
 6年以上の追跡期間中に284例が死亡し,うち87例はCVD,125例はがんが原因であった。
 研究の結果,がんとTV視聴との間の関連は弱かったが,TV視聴時間とCVD死の増加や全死亡増加との間には,典型的なCVD危険因子とライフスタイル因子の調整後も直接的な関連が認められた。
 また,1日のTV視聴時間が1時間増すごとに,全死亡リスクが11%,がん死亡リスクが9%,CVD関連死亡リスクが18%,それぞれ増大することが確認された。
 さらに,1日のTV視聴時間が2時間未満の人と比べ,4時間を超える人では全死亡リスクが46%,CVD関連死亡リスクが80%増大することがわかった。この関連は喫煙,高血圧,脂質異常症,不健康な食事,ウエスト周囲径の増大,余暇時間における運動不足など他の独立した古典的CVD危険因子と関係なく認められた。
 今回の研究はTV視聴に焦点を合わせているが,この結果はデスクワークやパソコン使用などの長時間動かない生活が,総じて健康に悪影響を及ぼすことを示唆している。
 Dunstan室長は「ヒトの身体は動くようにつくられており,長時間座るようにはできていない。人は日常生活のなかで身体の筋肉を動かしていたが,そうした生活のなかの大部分を座って過ごすようになってしまった。技術,社会,経済の変化により,昔ほど筋肉を動かさなくなり,その結果,生活のなかでのカロリー消費は減少している」と指摘している。

座りすぎは総じて不健康のもと

 Dunstan室長は,今回の研究結果は過体重や肥満の人だけでなく正常な体重の人にも当てはまるとし,「そのような人でも,長時間動かないと,血糖値や血中脂質値に影響が及ぶ」と述べている。
 また,同室長は「オーストラリアで実施された研究結果は,もちろん米国人にも当てはまる」と指摘している。1日のTVの平均視聴時間は,オーストラリアと英国では約3時間だが,成人の3分の2が過体重か肥満である米国では8時間に及んでいる。
 運動の効用はかなり以前から確認されているが,今回の研究では逆に,長時間座っていることでどのような影響が及ぶのかを見極めることを目的とした。
 同室長は「定期的な運動をすることに加え,長時間座るのを避け,もっと身体を動かすことが重要だ」と述べている。

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