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慢性の睡眠不足/健康や仕事に持続的な影響及ぼす
[ 2010年3月4日号]

〔ワシントン〕Brigham and Women's病院(BWH,ボストン)睡眠医学のDaniel A. Cohen博士らは,慢性の睡眠不足の場合,仕事の能率の低下は簡単には回復せず,健康にも持続的な悪影響が表れるとの研究結果をScience Translational Medicine(2010; 2: 14ra3)に発表した。

ミスや事故を引き起こしやすい

 ふだんから睡眠不足が続き,時々長時間の睡眠で不足を取り戻そうとしている人は慢性的な睡眠不足の自覚がないのかもしれない。しかし,そのような人が夜勤などで遅くまで起きていなければならない場合,仕事の能率の低下は想像以上に速く,ミスや事故を引き起こしやすくなる。
 睡眠の正確な機序は不明であるが,これまでの研究から,身体が必要とする休息を取らずに過ごしていると,疾患,ストレス,学習障害,記憶障害,交通事故のリスクが高まり,体重も増加することが明らかになっている。
 今回の試験では,急性の睡眠不足,慢性睡眠不足,概日リズムの影響が重なると,仕事の成績にどのような影響が及ぶかを明らかにするプロトコルがデザインされた。被験者は3週間,睡眠と覚醒を繰り返し,1日当たり5.6時間の睡眠を取った。参加者の多くは,急性の睡眠不足なら10時間程度の長い睡眠を1回取るだけで睡眠不足を解消できたが,慢性的な睡眠不足を有する者では,覚醒時間が1時間長くなるごとに仕事のパフォーマンスが低下し,特に深夜の間にはミスや事故を起こしやすくなった。
 今回の結果から,睡眠不足は少なくとも2つの生物学的調節機構によって脳に影響を与えることが示唆される。1つは,覚醒時の数時間のうちに起こる機構,もう1つは数日あるいは数週間続く睡眠不足後に起こる機構である。
 今回の研究結果は,長距離トラックの運転手や医学生など,変則的なシフトで仕事を行っている人の覚醒状態を高め,睡眠障害患者の治療にも役立つかもしれないとしている。

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