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脳腫瘍の発生率/携帯電話の使用増加との関連性は発見できず
[ 2010年1月28日号]

〔英オックスフォード〕デンマークがん学会(デンマーク・コペンハーゲン)のIsabelle Deltour博士らは,携帯電話の使用が急増してから5~10年が経過した後も,成人の脳腫瘍発生率は変化していなかったとJournal of the National Cancer Institute(2009; 101: 1721-1724)に発表した。

神経膠腫と髄膜腫の発生率を分析

 これまで,携帯電話の使用が脳腫瘍の危険因子であるとされてきたが,その関連性を説明する生物学的機序は不明であった。
 そこで,Deltour博士らは,デンマーク,フィンランド,ノルウェーの成人(20~79歳)の神経膠腫と髄膜腫の年間発生率を分析。1974~2003年にこれらの脳腫瘍の診断を受けた患者6万例を同定した。
 今回の研究によると,この30年間の発生率の推移は,横ばい,減少,あるいは携帯電話導入前から始まった緩やかな増加のいずれかを示した。また,1998から2003年にかけて脳腫瘍の発生傾向に変化は見られなかった。
 同博士らは「今回の結果から,(1)携帯電話の使用が脳腫瘍を誘発するまでの期間は5~10年よりも長い(2)この母集団におけるリスク増加は検知できないほど小さかった(3)リスク増加は特定の脳腫瘍あるいはある一部の携帯電話使用者のみに起こる(4)リスクは増加しない―などが考えられる」と述べている。
 今回の研究は脳腫瘍の発生率のみについて調査しており,同時期における携帯電話の使用頻度などは調べていない。
 同博士らは「今回の母集団においても,また世界的にも携帯電話を使用する機会が増えていることから,脳腫瘍発生率の経時的な傾向について追跡調査が必要である」と結論している。

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