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高齢者のCVD死亡リスク: 歩行が遅いと3倍に
[ 2010年1月14日号]

〔ロンドン〕パリ第6大学(パリ)のAlexis Elbaz博士らは,高齢者の歩行速度と全死亡,およびがん,心血管疾患(CVD),感染症や呼吸不全などのおもな死因との関係を調査した。フランスの3都市(ボルドー,ディジョン,モンペリエ)での合同調査の一環として65~85歳の男女3,208例を5年間追跡した今回の調査は「歩行の遅い高齢者のCVDにより死亡するリスクは速い者の3倍にのぼる」と結論しており,詳細はBMJ(2009; 339: b4460)に発表された。

健康リスクの予測が可能

 Elbaz博士らは「今回の調査結果は,高齢者の運動能力が歩行速度などの単純な尺度により評価可能で,高齢者の生命と身体機能を守るうえで運動による健康維持が果たす役割が大きいことを示している」と述べている。
 歩行の遅さで死亡をはじめとする健康関連の有害事象が予測できることは先行研究によって示唆されていたが,このような死亡率の増大を招く特定の死因については不明だった。
 同博士らは,調査開始時に人口統計学的情報と医学的情報を入手したうえで参加者に6m超の歩行テストを受けさせ,速度計測カメラを用いた歩行速度の自動計測を行った。その後5年超にわたって定期的な追跡調査を行い,低速,中速,高速の3段階に分けて死亡リスクを算出した。調査開始前のいくつかの特徴で調整後,調査開始時に低速歩行者では,高速歩行者に比べて死亡リスクが44%高いことが判明した。
 同様に,低速歩行者のCVDによる死亡リスクは,高速歩行者の3倍にのぼった。このようなCVDによる死亡リスクの増加は男女共通して見られ,年齢による差はなく,あまり体を動かさない人と普通に動かしている人の間にも見られた。興味深いことに,歩行速度とがんによる死亡の間には関連性は見られなかった。

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