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矯正不能な視覚障害は高齢者の死亡リスク上昇と関連
[ 2009年12月3日号]

〔シカゴ〕ウェストミード・ミレニアム研究所(オーストラリア・シドニー)のMichael J. Karpa博士らは,矯正不能な視覚障害と死亡リスク上昇との関連を49〜74歳の患者を対象とした研究で明らかにし,視覚障害が高齢者の死亡リスクと関連する可能性があることをArchives of Ophthalmology(2009; 127: 1347-1353)に発表した。

視覚障害と歩行障害が強く関連

 視覚障害は不慮の外傷,うつ病,BMIの低下,歩行速度の低下,転倒リスクの増加,自己申告による身体活動性の低下,心血管疾患,認知症とがんなどの死亡率増加に関与する因子と並んで,死亡リスク上昇との関連が報告されている。Karpa博士らは「これらの交絡因子を補正すると,視覚障害と死亡率との関連性は低下することがわかっているが,この関連性の背後にある機序は不明だった」と述べている。
 同博士らは,1992〜94年とその5年後,10年後に49歳以上の患者3,654例を対象に視覚障害の状態を調べたブルーマウンテン眼研究のデータを用いて,高齢者の視覚障害と死亡リスクとの関連性を評価した。
 ベースライン時,矯正不能な視覚障害を有する高齢者では,75歳以上で低体重の女性の割合が高かった。矯正可能な視覚障害を有する者も75歳以上で多かったが,性やBMIの割合に差はなかった。ベースライン時から13年後の時点で,1,273例が死亡していた。高い死亡リスクは矯正不能な視覚障害と関連しており,特に75歳未満の患者と強い関連性が認められた。
 今回の分析により,矯正不能な視覚障害はその作用が直接的であるか間接的であるかにかかわらず,死亡リスクに大きな影響を及ぼすことが判明した。検討した死亡リスクマーカーのうち,歩行障害だけが視覚障害と死亡率を結び付ける有意な間接経路であることが明らかになった。
 同博士らは「今回の試験で視覚障害が全死亡リスクを高めていることが再確認された。歩行障害は視覚障害患者の死亡リスクに対する重要な間接的原因で,統計学的分析でこの因子を調整することは,視覚障害の死亡リスクに対する間接的影響を過調整することになるかもしれない。実際には視覚障害の死亡リスクに対する影響は,従来の統計モデルを用いた過去の試験で報告されたものよりも大きいと考えられる」と述べている。

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