〔ニューヨーク〕環境疫学研究センター(CREAL,スペイン・バルセロナ)のJudith Garcia-Aymerich博士らは,中高年の女性における運動量と喘息症状増悪との関係を調べるために前向き縦断研究を実施。「定期的な運動は喘息症状の増悪リスクの低下と関連している」とAmerican Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(2009; 179: 999-1003)に発表した。
重症度にかかわらず有効
これまで,運動の効用を示した研究は数多くあるが,呼吸器疾患への影響についてはほとんど検討されていなかった。
今回,Garcia-Aymerich博士らは,米国のNurses' Health Study登録者のうち女性喘息患者2,818例(平均年齢63歳)を対象に1年間追跡調査した。対象者の喘息の重症度は軽症間欠型20.2%,軽症持続型35.6%,中等症持続型34.6%,重症持続型9.5%で,喘息の定義は「医師による診断報告および過去12か月間に喘息治療薬の使用歴があること」とした。
現喫煙者は6%で(過去に喫煙歴がある者は48%),運動量の中央値は10MET・時間/週(早いペースでの歩行20分間を1週間に3回行うことに相当)であった。
解析の結果,追跡期間中の増悪リスクは運動量が増すごとに低下した。多変量ロジスティック回帰モデルでは,運動量が増すごとに入院リスクが低下した(運動量別最低五分位群と他の4群を比較した際のオッズ比は,低いほうから順にそれぞれ0.85,0.81,0.78,0.76,P=0.05)。
また,この関連は年齢,喫煙歴の有無,BMI,ベースライン時の吸入ステロイド薬使用の有無,増悪歴の有無で層別化しても変わらず,運動の効果は喘息の重症度などの共変数とは独立して認められた。
同博士らによると,この研究結果は大多数の女性喘息患者に対する定期的な運動の推奨を支持するものであり,「喘息治療のガイドラインに運動の推奨を盛り込むべきである」としている。
短期的・長期的効果で機序異なる
これまでのシステマチックレビューにより,喘息患者では運動により肺機能数値に変化が見られなくても心肺状態の改善がもたらされることが示唆されている(Ram FS, et al. Cochrane Database of Systematic Reviews 2005 4: CD001116)。
Garcia-Aymerich博士らは「特に注意すべきなのは,喘息患者が運動誘発性の喘息発作を恐れるあまり運動を避ける可能性があることだ」と指摘。さらに,「短期的効果をもたらす機序が,定期的な運動による長期的効果をもたらす機序とは異なる可能性もある」としている。
現時点では,米国喘息教育予防計画委員会や国際的な喘息治療指針(GINA)によるガイドラインでは,喘息を改善するための治療としての運動の可能性は論じられていない。しかし,いずれのガイドラインも喘息患者にとっての運動の重要性には言及している。











