〔ロンドン〕カロリンスカ研究所(スウェーデン・ストックホルム)保健公正研究センター(CHESS)のYlva Almquist氏は,クラスメートの間で人気があり,影響力があった小児は,成人後の健康状態が良好であることを示す研究結果をJournal of Epidemiology and Community Health(2009; オンライン版)に発表した。
行動や心理的要因が影響か
今回の知見は,ストックホルム出生コホート研究の一環で,1953年にスウェーデンで生まれた1万4,000例超の小児の検討から得られた。今回の研究では,53〜2003年に生まれた小児の健康状態について,長期にわたり追跡調査した。
1966年に6年生(12〜13歳)になった時点で,級友からの人気と影響力の程度などを評価した。これは,「クラスで一緒に何かするとき,最も組みたい相手」を質問して行った。
回答は,(1)不人気(だれにも選ばれない)(2)周辺のみ(1人にだけ選ばれる)(3)受け入れられている(2〜3人から選ばれる)(4)評判がよい(4〜6人から選ばれる)(5)人気がある(7人以上から選ばれる)―の5つのカテゴリーに分類した。
全国の退院記録を用いて,この情報を1973〜2003年の入院データと照合した。その結果,不人気に分類された小児では,成人後に深刻な疾患に罹患するリスクが最も高かった。このパターンは男女双方で共通していたが,成長後に発症する疾患の種類は異なっていた。
不人気に分類された男児では,将来,内分泌性,栄養性,代謝性の疾患で病院での治療が必要となるリスクが高く,人気があるに分類された男児の4倍強になった。さらに,不人気の小児では男女とも後年,精神保健上の疾患や行動上の問題を生じるリスクが2倍超高かった。また,意図しない中毒で入院するリスクも5倍以上であったが,周辺のみに分類された男児でも,同リスクは7倍超であった。
さらに,不人気に分類された男児では,人気があるに分類された男児に比べ薬物やアルコール依存になるリスクが著明に高く,虚血性心疾患の発症率も9倍超だった。
Almquist氏らは「今回の知見は,小児時代の社会的位置付けにより説明されるものではない。小児期の仲間との関係が行動および心理学的因子を通じて,その性格特性に応じた異常や疾患の発症に影響し,成人後の健康に関係していることを示唆している」と結論付けている。
小児期のクラスの人気者は成人後の健康状態が良好
[ 2009年11月19日号]
記事タイトル[掲載号]
-
中年の内臓脂肪が脳容積の低下と関連
[ 2010年7月29日号 New] -
肥満蔓延の低年齢化が平均寿命に影響
[ 2010年7月29日号 New] -
ふすまの摂取で女性2型糖尿病患者の死亡リスク低下
[ 2010年7月29日号 New] -
高齢者の意図的な減量は有効/過去の有害説を否定
[ 2010年7月29日号 New] -
歯磨きの回数と心疾患発症リスクが関連/1日2回未満は高リスク
[ 2010年7月29日号 New] -
うつ病のある高齢者は認知症とADの発症率が有意に高い
[ 2010年7月22日号] -
ブロッコリーが乳がんの幹細胞を抑制/含有化合物に予防・治療の可能性
[ 2010年7月22日号]











