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うつ病や不安が肥満リスクに
[ 2009年11月19日号]

〔ロンドン〕ロンドン大学疫学・公衆衛生学のMika Kivimäki教授らは,うつ病や不安などの精神障害が肥満リスクの増加と関連しており,そのエピソードが慢性あるいは反復性の場合は特にリスクが高いとBMJ(2009; 339: b3765)に発表した。

中年集団では一方向の関連

 先行研究の結果は互いに矛盾しており,精神障害が肥満リスクを高めるのか,肥満が将来の精神障害の危険因子なのかは明らかではなかった。精神障害と肥満リスクとの関連を理解することは,医療システムに強い影響があり,有効な治療法と予防法につながるため,きわめて重要である。
 Kivimäki教授らは,さらなるエビデンスを提供するため,精神障害と肥満との関連と用量−反応関係を検討した。
 同教授らの知見は,英国の公務員4,363例(35〜55歳)を対象に1985〜2004年の19年間に4回実施された医学的スクリーニングに基づいている。それぞれのスクリーニングには,精神障害の標準化評価(General Health Questionnaire)と身長・体重測定およびBMIが含まれている。
 精神障害治療薬の服用などいくつかの因子を調整後,研究開始時点で精神障害の症状を有していた症例では,有していなかった症例よりも体重増加が多く見られた。
 中間の3回のスクリーニングのいずれにおいても,精神障害を有していた症例では,有していなかった症例に比べ,最終スクリーニングでは肥満である率が2倍であった。
 さらに,用量−反応関係の明瞭なエビデンスも示され,精神障害を経験した回数が多いほど,体重増加と肥満リスクも増加した。
 興味深いことに,いくつかの先行研究の結果に反して,精神障害の既往のない例で肥満が精神障害を引き起こすというエビデンスは得られなかった。

両方向の関連も起こりうる

 Kivimäki教授らは「この英国の中年集団では,精神障害はその後の体重増加と肥満を予測させるものである」と述べ,これらの知見を他の集団に一般化できるか否か,さらに研究すべきであると提唱している。
 結論として,同教授らは「観察された関連が因果関係であるなら,この知見は予防や治療に重大な意義がある」と述べている。
 今回の研究では,肥満がうつ病や不安を予測するとのエビデンスをほとんど見出せなかった。アデレード大学(オーストラリア・アデレード)のEvan Atlantis博士らは,同誌の付随論評(2009; 339: b3868)で「臨床医は両方向の関連も起こりうると想定しておくべきだ」と述べ,「健康的な食品の供給と消費,身体活動の選択を促進するための課税,関税,通商法規に関する政府行動など,ライフスタイル介入の最良の方法に関していっそうの研究が必要である」としている。

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