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肥満と汚染源への近さで増強/大気汚染の血圧への影響
[ 2009年12月17日号]

〔ロンドン〕マサチューセッツ大学(米マサチューセッツ州アマースト)公衆衛生学・保健科学部のSrimathi Kannan助教授らは,大気中に浮遊する粒径2.5μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)が血圧に及ぼす影響は肥満者と汚染源の近くの居住者でより強いとの研究結果をJournal of Epidemiology and Community Health(2009; オンライン版)に発表した。

脈圧と収縮期血圧が上昇

 今回の知見は,人種的,経済的に多様な米ミシガン州デトロイトの3地域の919世帯を対象に,2000年に開始された5年間のHealth Environments Partnership試験で収集された大気汚染および生物医学的データに基づいている。
 2000〜03年に,大気汚染モニタリング地点から5km範囲内に居住していた全世帯を対象に,モニタリング地点でPM2.5を30分ごとに測定した。
 919世帯のうち348人が血液サンプルの提供と血圧,体重,身長,BMI,ウエスト周囲径の測定に同意した。血圧と関係する因子である人種的背景,性,年齢,学歴,食習慣,運動,既往疾患についてデータを収集した。
 参加者の半数余りがBMIによる評価で肥満と判定され,57%が糖尿病や心疾患など重大な疾患のリスクが平均より高いことを示すウエスト周囲径の基準値(男性102cm,女性88cm)を超えていた。
 68%が高血圧前症または高血圧,36%は総コレステロールが200mg/dL超であった。
 平均PM2.5濃度は3モニタリング地点のすべてで15μg/m3であったが,南西部の1地点ではこの値より20%高かった。デトロイト南西部は鉄鋼所やコークス炉,精錬所などが立ち並ぶ重工業地帯でその割合は他地域より多い。
 当然のことながら,交通量の多い地域など,PM2.5の発生源に近い地域の居住者では脈圧がより高かった。
 これらの居住者ではやせまたは肥満とは無関係に収縮期血圧がより高かったが,この影響は肥満者(BMI 30以上と大きなウエスト周囲径)でより顕著に見られた。
 肥満,特に腹部肥満では大気汚染の影響を受けやすく,高血圧発症リスクを高めることを示唆する研究成果は蓄積されつつあり,今回の知見もそれらに加えられるという。
 高血圧は心疾患や脳卒中リスクを増大させる。Kannan助教授らは「心疾患や脳卒中リスクが既に高い肥満者にとって,PM2.5曝露は単に相加的でなく相乗的にこれらのリスクを増大させる」と述べている。

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