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火山地帯で高い甲状腺乳頭がん発症率
[ 2009年12月24,31日号]

〔英オックスフォード〕カターニア大学Garibaldi-Nesima病院(伊カターニア)内分泌科のGabriella Pellegriti博士らは,火山地帯の住民では甲状腺がんのリスクが高い可能性があるとする研究結果をJournal of the National Cancer InstituteJNCI, 2009; 101: 1436-1437)に発表した。

発がん率は他の地域の2倍超

 甲状腺がんの発症率上昇は,スクリーニングの感度上昇によるものとされていたが,これのみが原因ではないことが最近のエビデンスで示唆されている。火山などさまざまな環境因子は,危険因子として除外されていない。
 Pellegriti博士らは,2002年1月1日~04年12月31日にシチリア島での甲状腺がんの新規発症例を調べ,カターニアのエトナ山火山地帯の住民とそれ以外の地域の住民で甲状腺がんの発症率を比較した。
 同博士らは,カターニア地方の住民では他の地域と比べて,甲状腺乳頭がんの発症率が2倍超高かったが,濾胞性甲状腺がんまたは甲状腺髄様がんの発症率は高くないことを突き止めた。また,カターニア地方の患者では甲状腺乳頭がんに,BRAF V600E遺伝子変異が認められる傾向があったが,この遺伝子変異によって甲状腺がんの侵襲性が増すことは既に知られている。
 同博士らは,火山環境では粒状物質やガスとして大気中に拡散する毒性化合物,水を汚染する可能性のある成分が生じることによって,甲状腺がんの発症率が上昇する可能性を指摘している。ただし,それが甲状腺がんリスクに影響する機序については不明であるとしている。
 同博士らは「エトナ山の火山環境と関連して甲状腺乳頭がんの発症率に著しい上昇が認められたことから,他の火山地帯の住民でも甲状腺がんリスクが高く,おそらく他のがんについてもリスクが高まる可能性が示唆された」と説明。「この火山環境で甲状腺がんの原因となっている危険因子はまだ同定されていないが,これらの因子の同定は,欧米における甲状腺がんの発症率上昇の背景をよりよく理解することや,予防措置の開発に役立つと思われる」と述べている。

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