〔ロンドン〕自由大学医療センター(アムステルダム)のJolanda Maas博士らが,緑地の近くに住む人では緑地の少ない場所に住む人より不安,うつ,体調不良の有病率が低いとの研究結果をJournal of Epidemiology and Community Health(2009; 63: 967-973)に発表した。
緑地の役割を軽視すべきでない
この研究知見は,オランダ全土の95診療所の家庭医195人に登録されている住民約35万人の健康記録データに基づいている。
各世帯の郵便番号をもとに,自宅から半径1kmと3km以内の緑地の割合を算出した。居住地域に占める緑地の割合は半径1km以内で平均42%,半径3km以内で同61%だった。個人宅から半径1km以内の緑地が有病率と最も強く関連していた。
自宅の近くの緑地が広くなるほど心血管疾患,筋骨格障害,精神疾患,呼吸器疾患,神経疾患,消化器病,各種愁訴に分類される24種類中15種類の疾患群の年間有病率が大幅に減少した。特に,精神疾患の有病率に対する影響が顕著であった。
不安障害の年間有病率は,自宅から半径1km以内の緑地の割合が10%の居住地域では1,000人当たり26人,90%の地域では同18人であった。同様に,うつの有病率は1,000人当たり32人,同24人であった。
近所で過ごす時間が長い人,すなわち,小児,教育水準と所得が低い人,45~65歳の人で最も強い関連が見られた。
Maas博士らは「緑地の存在が健康にどのように影響するのかは明らかでないが,大気の質の改善や,リラクゼーション,ストレス緩和,社会化,運動の機会を与えている可能性がある」と指摘している。
同博士は「今回の研究は,住環境における緑地の健康に対する役割を過小評価すべきでないことを示している。緑地がよい影響をもたらすと思われる疾患や障害の多くは,よく見られるうえに治療費がかかるものである」と述べている。
緑地近くの住民ほど不安,うつ,体調不良が少ない
[ 2009年12月24,31日号]
記事タイトル[掲載号]
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