〔ワシントン〕イェーテボリ大学(スウェーデン・イェーテボリ)脳機能修復・リハビリテーションセンターのH. Georg Kuhn博士らは,青年期のスウェーデン人男性を対象とした研究の結果,心血管系の健康(cardiovascular fitness)は知能の高さ,認知テストと学業の高成績と関連するとProceedings of the National Academy of Sciences, USA(2009; 106: 20906-20911)に発表した。
18歳の心血管系の健康と関連
運動と認知機能との関連性は,これまで多くの研究により動物やヒトで明らかにされているが,ヒトの研究のほとんどは小児か高齢者に焦点が当てられていた。一方,脳が急速に変化し,認知的な特性の多くが確立される青年期を対象とした研究は非常に少なく,それら研究の結果も一貫性に欠けるものだった。
Kuhn博士らは1950~76年に生まれ,18歳で軍隊に入隊したすべてのスウェーデン人男性から収集した身体的健康(physical fitness)と知的能力(intelligence performance)に関するデータを活用し,全人口を対象とした研究を実施した。122万1,727人のサンプルのうち,同じ親から生まれた兄弟が26万8,496組,双生児が3,147組あり,双生児のうち1,432組は一卵性双生児だった。
今回の研究の結果,筋力ではなく心血管系の健康こそが,認知機能と関連することが多くの評価尺度で明らかになった。また,18歳時の心血管系の健康は,しばしば後年の社会経済的地位や学問的業績の予測因子となることも判明した。さらに,双生児のデータを検討したところ,このような関連性においては,遺伝因子よりも環境因子のほうが大きな役割を果たしていることが明らかになった。
同博士らは「今回の結果は,運動を奨励することが,学業成績を高めるための公衆衛生上の戦略となることを示している」と結論付けている。
心血管系の健康は学業成績と関連
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